マニアックレポート

桐生織

桐生織といえば、明治以降日本に導入された伝統的な自動織機「ジャカード織機」による精緻な紋織物。なかでも、4千本前後の経糸(たていと)を使った「お召し」が今もなお織り続けられている。

無数の経糸とそこに織り込まれる緯糸(よこいと)を操るために紋紙(パンチカード)が考え出された。紋紙は、ジャカード織機の頭脳とも言える。

紋紙に開けられた穴が、4千本の経糸の上げ下げ、そして緯糸を飛ばすシャトル(杼・ひ)の往復を指示している。

糸が巻かれた木管が整然と並べられ、ここから大きなドラムに経糸が巻き取られていく。

経糸を巻き取るドラム。一度に巻き取れるのは、最大で200本。4千本の経糸を巻き取るには、この作業を最低でも20回繰り返すわけだ。後継者がいないことに、なるほどと頷けてしまう。

織る前の段階、経糸を仕掛ける作業「整経(せいけい)」。経糸本数の多いお召しの機場は、職人さんの根気に支えられているといっても過言ではない。

桐生は、かつて一世を風靡した「銘仙(めいせん)」の産地であった。東京という一大消費地に近く、大正期、その貪欲なまでの生活者の要求に応えてきた。その伝統と技が、今に生きている。

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