およそ8年前でしたが、町田市玉川学園にある「シルクギャラリー」で行われる創作着物展の一枚の案内が、私の目に入りました。それは、染色作家の成瀬 優氏による友禅染め創作着物展で、一着一着にふさわしい題名をつけて飾ってありました。その中の一枚の振袖は「風の花嫁」。肩から裾にかけて淡い青系から紫系にぼかされて、勾玉や花々が深緑や紅色の絞り染めで散りばめてありました。何か宝石を見ているみたいに夢のような印象でした。
それからしばらくしたある頃でした。私は50代まで仕事一筋の人生でしたが、「結婚」というご縁に恵まれ、挙式の運びとなりました。この年代ではどのような衣装がよいかと考えましたときに、突然あのシルクギャラリーに行ってみようと思ったのでした。そこでいろいろな着物を見せていただきました。あの「風の花嫁」がひっそりとおいてあり、そこから私の目が離れず、この着物を着てくださいと呼び掛けられているようでした。
成瀬氏は私に「花嫁ですから、振袖は年齢に関係なく着て良いのです」とお勧めくださり、お陰で私の最良の日を飾る振袖となりました。私がこの風の花嫁になったような、この振袖との不思議な出会いを感じました。
そしてまた、この振袖がご縁で成瀬氏の作品を紹介するNHKの番組、「現代の匠」の中に私たちの挙式の様子が放映されるという大変な想い出の深い振袖となりました。いつまでも眺めていたいような素晴らしいこの辻が花染めは成瀬氏ご自身、このように手がこんだ作品はもう作れないと思うといわれました。この振袖は私の想い出と共に大変貴重な宝物になりました。この度このような展示会に一人でも多くの方々に見ていただけたら、うれしく思います。
現在も私たちは夫婦仲良く、旅行などを楽しんでおります。この振袖に感謝です。































