振袖(想い出キモノ館)

日暮勝子さんの想い出

病に倒れた主人に、娘の晴れ着姿を見せたい一心で、まだ高校2年生の娘に振袖を購入しました。平成元年12月のことです。病室で娘に振袖を着せ、成長した姿を主人に見せることができました。翌年の2月、安心したかのように主人は、他界しました。奇しくもその年は、長男の成人式でした。クリスマスのプレゼントに「僕は健康が欲しい」と言っていた主人の言葉を今もはっきりと覚えています。

やがて、娘も本当の成人を迎えることになり、改めてお支度の準備を始めたのですが、あの時は足袋や草履を用意するのを忘れており、本当に主人に見せるためだけに求めた振袖であったことが、改めて涙を誘いました。着物をタンスの肥やしにすることが嫌いな私は、着ない着物をどんどん人にあげてしまうのですが、この着物だけは絶対に手放すことはないでしょう。

館長からのメッセージ

節目節目には、必ず記念写真を残されている日暮さん。お嬢さんのお小さい頃の写真に目を細めていらっしゃいました。天国のご主人様も、お嬢さんの成人にホッと胸をなで下ろされたでしょうね。どうぞ、いつまでも、ご家族をお見守りください。

「振袖」のお名前インデックスに戻る

ページの先頭へ戻る