振袖(想い出キモノ館)

大塚節子さんの想い出

今から17年前、娘・恵美子が高校3年の時に求めた振袖です。武蔵屋さんとは、娘のアルバイトがご縁で知り合いました。中学では、バスケットボール部に所属する活発な娘でしたが、高校時代、膝の故障を機会に茶道部に入り、和の世界への興味から着物屋さんでのアルバイトも自分で決めたようです。

社会人になってからは、東京の会計事務所で働く傍ら、市が青少年の健全育成のために行っている洋上教室に、指導員として参加。仕事と教室の準備を人一倍の責任感でこなしていました。そんな彼女の成人。家族も精一杯の祝福をいたしました。

成人式を迎えた、その年の夏、ダイビングを楽しみしていた娘は、微熱に悩まされておりました。検査の結果は、無情にも「白血病」。交通事故と思って諦めなさいと言われたその日から、娘の闘病生活が始まりました。その後、7年間、27歳でこの世を去るまで、7回の入退院を繰り返しながら、本当にがんばってくれました。

あれから9年。毎年必ず、この振袖の虫干しをして、ありし日の娘の姿を偲んでおります。私も高齢者の仲間入りをし、身の回りの整理を心がけておりますが、娘のものは、なかなか手放せずにおります。この総絞りの振袖は、私の大切な宝物になっております。

館長からのメッセージ

娘さんの思い出話、ご病気のことなど、淡々とおはなしくださる大塚さんの姿に、改めて母の強さを実感いたしました。ありがとうございます。

「振袖」のお名前インデックスに戻る

ページの先頭へ戻る