私の嫁入りに母が作ってくれた羽織です。母の実家は、山梨県塩山市。そこには武田信玄が眠る恵林寺(えりんじ)があります。毎年4月の信玄祭りの日には、小学校も早引きになり、どの家も家族で恵林寺に出かけるのです。
今から29年前、母の実家に帰った際に、この羽織を着て信玄祭りに出かけました。まだ、上の子が3歳。下の子はひとつでした。そのとき背負った下の子の手の汚れで付いたシミに、つい先日、気がついたのです。小さなシミをつけた小さな手のあの子が、今では30歳。立派な女性に成長しました。懐かしい故郷、そして、祭りの日の賑わいを思い出させてくれた一枚の着物です。





























