羽織・コート(想い出キモノ館)

山田美智江さんの想い出

この羽織は、もともと父の着物でした。私の一歳の誕生日を前に、45才の若さで他界した父。もちろん父の記憶は私にはありません。8人兄弟の末っ子として生を受けた私に残された、唯一の形見の着物、伊達者といわれた父が、好んで着ていた一枚だったそうです。

その後、私の嫁入りに、一枚でも多く持たせたいとの母の一念で、染め変えて、羽織にすることに。母と一緒に呉服屋へ行き、染め見本から私の好きな柄を選びました。もう40年以上も前のことですが、昨日のことのように覚えています。

日々の忙しさに追われ、過去を振り返ることなどなかった私ですが、一枚の着物を通して亡き父母の甘酸っぱい想い出に、しばし浸ることができました。

館長からのメッセージ

山田さんは、実は当社の社員。一番の年長でお姉さん役の彼女ですが、実生活では大家族の末っ子として、寂しい思いもされていたんですね。お父様の形見のキモノが、今でも温かく娘を包んでいるのです。

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