この着物は、母の形見です。父が急死したとき、私はまだ、母のお腹の中でした。裕福な家屋敷に育った母が、三人の子供を一人で育てねばならなくなってしまいました。
父が母に贈った着物が、宮様の訪問着でした。黒地に赤の一糎四方の升文様、そこに金と銀の模様が飛んでいます。これが織られている生地だそうです。母は、時々出して見ていたが、結局一度も手を通すことはありませんでした。
先日、この想い出の着物を私が着たのです。プロのカメラマンが撮ってくださった写真が良かったので、想い出キモノ館に出展することにしました。母は、喜んでくれたでしょうか。
父と母の想い出の着物。75年位前の着物です。






























