帯(想い出キモノ館)

田中絹代さんの想い出

新潟県の柏崎(かしわざき)出身の母は、北国の女性らしく色白の美しい人でした。その母の嫁入りのお道具として、祖父母が用意した丸帯です。

結婚は大正10年、母が20歳の時だったといいます。当時でも高価なものだったそうですが、「帯は錦をしめろ」という言葉どおりに、奮発したのだそうです。母は、結婚して千葉県の市川で弁当屋さんを開業しました。私も子供心に、店を切り盛りする母がお祝いの席でしめていたこの帯のこと、よく覚えています。

館長からのメッセージ

荒れくるう冬の海、そして千鳥が舞いハマナスが香る浜辺と、季節によって全く別の顔を見せる海辺の街、柏崎。北陸街道の宿場町として、また、千石船による海運の街として繁栄してきました。その中で行なわれた『越後縮布の行商』は、商売上手といわれる近江商人をも圧倒し、公家、武士、豪商などの上流階級を相手に高級織物である「越後上布」を中心に商売を営んだといわれています。そんな柏崎に育ったお母様の嫁入り道具、奮発したご両親の心意気に北陸随一の文化の香りを感じます。

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