紬・お召し(想い出キモノ館)

カラメさんの想い出

今から19年前、きもの関係の仕事をしていた友人から求めた大島紬です。安く譲っていただいたとはいうものの、当時の私にとっては、かなり高価な買い物でした。もちろん主人には内緒。仕事を持ち、収入があったからこそできた決断でした。そこに大ピンチが訪れたのです。主人の母の具合が悪くなり、仕事を辞めなくてはならないことに・・・。

親族会議の結果、主人の姉が母を看てくださることになり、一件落着。今も私の手元にこの大島が残っているのです。一時は手放すことも考えましたが、支払うために必死で働いたときのことは、今でも忘れられない想い出です。購入の際、仕立て代まで予算がまわらず、今でも反物のまま出番を待っていますが、ぜひ仕立てて袖を通してあげたいと思っています。そして、当時、四つだった娘に着継いでいってほしいと、成長した彼女の姿を見て願っております。

館長からのメッセージ

大島紬といえばT字絣ですが、カラメさんの大島は、更に複雑な「割り込み」と呼ばれる絣です。作者の吉吉三郎(よし きちさぶろう)は、この技法をもっとも得意とする作家。くっきりと柄を浮き立たせています。今では、なかなか入手困難な逸品。母から子へ、大切に受け継がれていくことでしょうね。キモノ大好き人間のカラメさんならではの、(内緒の)想い出キモノです。

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