紬・お召し(想い出キモノ館)

根本紀子さんの想い出

13年前に他界した母の大島絣です。今、袖を通してみると、その小ささに驚きを覚えます。身丈は短く、私の記憶の中の母よりも、実際はずっと小柄な人であったことがわかります。

深川育ちの母は、江戸っ子らしく小粋で気っぷの良い人でした。銀座生まれの父と、この着物を着て歌舞伎でも見に行ったことでしょう。

この着物は、母から一度、叔母に譲られました。母が亡くなった後に、叔母が「赤い帯を締めると素敵なのよ」と、私に戻してくれたのです。

小さな体で、私たちを立派に育てくれた母。そんな母の温もりを今も伝えてくれる、温かい絣の着物です。

館長からのメッセージ

一枚のキモノを通して、肌と肌を寄せ合うことができる、時間と場所を飛び越えて。それが、想い出キモノですね。宵越しの金は持たない江戸っ子のお父様との東京生活。いろいろなドラマがあったことでしょうね。銀座の恋の物語を語り続ける、一枚のキモノです。

 

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