紬・お召し(想い出キモノ館)

山本光世さんの想い出

私の母が満州に住んでいた頃着ていた大島紬です。当時、父がロシア兵の車にひかれ突然亡くなり、泣く間もなく終戦。着の身着のままでふたりの娘(当時4才の姉と2才の私)の手を引き、頭を坊主に丸め引き揚げ船で帰ってきたそうです。父の遺骨と、父が趣味で集めていた黒炭の狸、そして、この着物だけを持ち帰ることができました。

母は、日本に戻ってからもずっと着物を着ておりましたが、この着物を着た姿を一度も見たことはありません。でも時々タンスから取り出しては、これはいい物だヨと、言って見せてくれました。74才で亡くなりましたが、母のお陰で現在の私たちがあることを感謝しております。

館長からのメッセージ

重い、重い想い出と共に出品いただいたキモノ。このキモノも戦中戦後の動乱を生き抜いてきたんですね。これからもキモノがいきづく、平和な世の中が続くように祈るばかりです。

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