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本場結城紬

結城紬は、家族で力を合わせて作られます。
織り上げた反物を産地問屋へ出荷するときは、娘を嫁にやる気分だとか。。
一晩抱いて寝るという逸話もあるほどです。そんな、優しい紬の郷、茨城県結城市のレポートです。

手に唾液をつけて糸を取る、「糸つむぎ」。
女性の唾液に含まれる成分が、よりをかけずに真綿(まわた)から一本の糸を生み出していきます。
女性にしかできない作業。もっとも地味な仕事だけに後継者不足が深刻です。

結城紬は、糸を染めてから織る先染めの織物。
染めない部分を防染するために綿糸で「絣(かすり)くくり」をします。図案を元に何万カ所という部分の絣をくくる作業は、力のいる男性の作業なのです。

「地機(じばた)」と呼ばれる原始的な織機。
経糸(たていと)は、織り手の腰に固定され、自分自身で引っ張りながら緯糸(よこいと)を打ち込んでいきます。自分の体を織機の一部にする過酷な仕事なのです。

家族で心を込めて織り上げた反物は、結城市内の産地問屋に持ち込まれます。
ほかの人に値段がわからないようにソロバンを使うのも昔ながらの光景です。

よりをかけない糸で織るため、結城紬には糊を多く含ませています。お仕立ての前に「湯通し(ゆどおし)」をして糊を抜くのです。
お客様の好みの柔らかさに仕上げるには、長年の経験が必要です。