送り盆の日にち

送り盆の日にちが地方によって15日だったり16日だったりと違うのはなぜでしょう。どちらが違うわけでも、どちらかが正しいわけでもありません。それは、月の満ち欠けと暦のなせるいたずら。そんなお話を少し。

江戸時代以前、日本の暦は、「太陰太陽暦」。
いわゆる旧暦です。夜空に輝く月の満ち欠けを基準に暦は作られていました。しかも、潮の満ち干も月に満ち欠けと密接なかかわりがあり、海洋民族の血が濃い私たちにとって、都合のよい暦だったのです。


さて、肉眼で月が観察できるようになるのが「三日月」。
暦も三日。薄く引いた眉のような月です。この日から遡って月のない晩、「朔(さく・ついたち)」を知ることができました。遡って知るから朔。わかりやすいですね。

七日月。
弦を上にして昇ってくる上弦の月、半月です。暦は、七日か八日。

そして、いよいよ満月です。
暦は、十五日か十六日。月の満ち欠けの周期、「朔望周期」は、29.5日。この割り切れないことと、ついたち「朔」の日の決め方のせいで、満月は必ずしも十五日にはなりません。十五日満月と十六日満月になる確率は約半分だといわれています。

満月を過ぎ、やがて欠けていく月。弦を下にして昇る半月が、下弦の月です。
暦は、二十二日か二十三日。ここまでで勘のいい人はわかったはず。つまり、昔のさまざまな祭礼は、誰が見てもわかりやすい半月や満月の晩に行われていたのです。

その代表格が、「送り盆」。送り盆の日が地方によって十五日だったり、十六日だったりするのは、満月になる確率がほぼ五分五分だったからなんですねぇ。「オレッチのほうがホントだ」なんてケンカしたら笑われますよ、お月さまに。

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